飽きてしまった古い映画
「リタイヤする」前、私は30年以上も金融サービス業界にいて、来る日も来る日も同じ映画を見ていた。映画は長編の時もあれば、短編の時もあった。だが、ストーリーと登場人物のキャストはいつもまったく同じだった。その映画はこんな話だった。
好況市場が始まった。投資家たちは信じられない思いで株価の上昇を見つめる。絶対にこの市場がこのまま上がり続けることなんてありえない、と彼らは言う。最終的にサイクルも後半になってから、投資家はこの活況を信じ、株を買う。その直後に市場は最高値に到達する。
不況市場が始まった時、投資家たちは怖れに満ちた驚きとともに株価の下落を見守る。絶対に市場は立ち直る、と彼らは言う。市場がさらに下落すると、自信は消散する。底値に近くなってから、投資家たちはついに負けを認め、保有している株を売却する。
その後まもなくして、再度活況市場が始まる。ところが、全財産を失ってしまった先ほどの投資家たちは、今度は怖れから買うことを拒む。もう一度思い切って一歩を踏み出すことができないでいるうちに、サイクルも後半になり、株価は「安全」なものに見え始める。ところがそれまでには、当然ながら市場は再び最高値に近づいており、その後にまた下落が始まるのだ。
こうして私たちはグルグル同じところを回っている。
あなたも私と同じくらい何度もこの映画を見ていれば、あの「人の知性を軽んじてはならない」という古いことわざは本当だろうかと疑い始めることだろう。でも、私の知っている最悪の投資家の多くは、医師、弁護士、大学教授といった人々で、中には数学者までいる。つまり、知性の問題ではないのだ。爬虫類脳にあなたの思考を任せるかどうの問題なのである。
正直に言おう。マークにパームビーチ・リサーチ・グループチームの一員にならないかと初めて聞かれた時、私は本当にそんなことができるのかどうか、確信が持てなかった。30年も例の映画を見てきた私は、他人が賢明な投資家になる手助けができるとは思えず、悲観的になっていた。たいていの人は生得的に失敗が運命づけられているように思えたのである。
私はこの気持ちを言葉にして伝えた。ところがマークは、もうすでに10年も、知的に行動することで起業家として成功するための方法を人々に教えていると語った。彼はトムの専門的知識があれば、PBRGの読者が爬虫類脳の声を無視し、成功できる投資家になる手伝いができると確信していた。
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これは、マークが全米から集めてきた超ベテラン凄腕アナリストの1人:(パームビーチリサーチグループの一員)ボブ・アイリッシュが書いたコラムです。
大富豪の投資術のP350に書かれています。
(後で良かったら読み直してみて下さい。)
ボブは、30年のアナリストのキャリアの中で、大多数の投資家が、爬虫類脳(欲望と恐怖で行動する)から脱却できず、、バブル市場である事を警告してもリスクを取りすぎる!株価が暴落した後のチャンスの時期は恐怖で行動できない…
チャンスを逃すが、リスクを取りすぎる、、というおろかな個人投資家の多さに悲観的で諦めの境地にいたのです。
実際の株価チャートを見てみよう…
(ニューヨークダウ 1987年〜2019年8月現在)
見事に、大きな上昇と下落を繰り返しているのが分かりますが、市場環境の上下と、大多数の投資家の行動が逆転しているのである。つまり、いつの時代も大多数の投資家は、資産を増やすどころか吐き出し続けているんです。
下記のチャートは、誰もがご存知の仮想通貨ビットコインの値動きと投資家の行動パターンでを表しています。
(ビットコイン 2016年〜2019年8月)
見事に飽きてしまった古い映画を繰り返してるように見えてしまいます。^^)
マークがパームビーチリサーチチームにボブを誘った時、彼は落ち込んでいましたが、マークが本当に大事な事を伝える金融サービスを作ろう、、という熱意に負けてアナリストチームに入ったそうです。
正直に言うと、、、
恐怖もしくは欲につき動かされてしまう爬虫類脳に打ち勝ち続けるのは、簡単な事ではないです。
人は誰しも怠けたい、と思っていますし、ラクして大きく儲けたい、、、と思っています。だから、価格がどんどん上がっている最中に、その株を手放したり、、1株4000円で買った株が、2000円とか、1000円になっていくのを見たら、、、「お願いだから、4000円まで戻ってきてくれ〜、、」と期待してズルズルと持ち続けてしまいます。ボブが、30年同じものを見続けてきたのもあながち仕方がない、、、とも言えます。江崎もボブほどではないですが、10年は同じものを見続けて来ました。
一方で、レガシー戦略は、そういった人間の本能(爬虫類脳)を完全に克服する事なく投資利益を、、それも複利効果ついた投資利益を狙っていく事ができる戦略です。
1,超優良企業の株を買う
2,何があっても売らないと決断する
3,配当が入れば、そのまま再投資する
というたった3つの事を株価が高かろうが安かろうが、やり続けさえすればいいからです。
江崎が一生をかけて全ての日本人に届けたい!と確信しているシンプルで簡単な大富豪の投資戦略です。
江崎孝彦