PALM BEACH RESEARCH GROUP

大富豪の懸念

From 江崎孝彦

先日のメールで、大富豪流の投資家達は、
最近、NASDAQ等のハイテク企業を中心に
起きている目先の下落をなんとも思っていない…

むしろ買い足そうか〜

くらいのスタンスである事をお伝えしました。

それは、目先の株価の下落は、
長期視点で取組む投資においては、
ほぼ影響がでないからです。

事実、2年前に発生したちょっとした
株価下落って覚えていないですよね?

そんなもんです。^^)

しかし、そんな大富豪達も
気に止める報道もあります。

例えば、下記のような報道です。

ユニクロの綿シャツ、米が1月に輸入差し止め、
新疆の強制労働めぐり懸念
 ロイター 2021/5/19

[東京 20日 ロイター] – ファーストリテイリングが
展開するユニクロのシャツが、新疆ウイグル自治区産の
綿製品に対する禁輸命令に違反した可能性があるとして、
米国が1月に輸入を差し止めたことが、米税関の文書で明らかになった。

10日付の文書によると、1月5日に差し止められたのは
ユニクロの男性用シャツ。中国共産党の傘下組織でウイグル
綿花の主要生産団体である「新疆生産建設兵団(XPCC)」
が関わった綿を使った可能性があるとして、違反商品保留
命令に違反した疑いが持たれた。

ファーストリテはXPCCや中国に由来する綿は使って
いないなどと異議を申し立てたが、十分な証拠を示して
いないとして却下されたことが記されている。

https://jp.reuters.com/article/uniqlo-us-idJPKCN2D00GC

もちろん大富豪達はユニクロのTシャツの
命運を懸念しているわけではありません。

新疆ウイグル自治区で起きているとされている
強制労働やジェノサイド等に対する米政府や
世界各国の政府機関の対応です。

強制労働の疑いのある新疆綿を使っている事を
さして輸入を禁止する程、今、強い対応をしている、、、

という事からも、世界は新疆ウイグル自治区の
ジェノサイドに高い関心を払っているわけです。

こんな記事もあります。

新疆ウイグル出生率2年で半減 中国統計入手、
不妊処置が急増
 西日本新聞5/19

             (出典:西日本新聞5/19)

 【北京・坂本信博】中国政府による少数民族ウイグル族への
不妊処置強要が懸念される新疆ウイグル自治区で、2019年の出生率
(人口千人当たりの出生数)が過去最低の8・14となり、17年の
15・88から2年間でほぼ半減したことが自治区政府の統計資料
で分かった。

中国全体で産児制限が緩和される中、新疆ではこの時期に
不妊手術や子宮内避妊具(IUD)装着手術が急増しており、
突出した人口抑制策が実施された疑いが強まった。

〜〜〜中略〜〜〜

 米国などが「新疆で不妊手術が強制されている」と
指摘する中、中国政府系シンクタンク、中国社会科学院
傘下の研究機関は昨年9月、「新疆の女性たちは自ら望んで
不妊手術を受けている」と主張する文書を発表。

18年の出生率は「法に基づき『計画超え出産』を管理」
した結果、大幅に下落したと強調した。ただ、実際には
共産党組織が住民への「宣伝」や「管理」を強化し、
広い範囲で住民にまとめて手術を実施したとの指摘がある。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/740806/

2年間で、出生率が半分にまで
減ってしまった状況に対して、

中国政府系シンクタンクの言う、、
「自ら不妊治療を受けている…」

これを信じる人が世界中のどこにいるのか…

といった状況です。

もはや状況証拠だけでも、

中国政府がウイグル人に対してジェノサイド
(集団殺戮)を行っている事は世界の共通認識
になりつつあります。

その事に気づかない、あるいは気づいていても
取り上げる事のできない日本政府や日本の大手
メディアは本当にどうしようもないわけですが…

どちらにしても、このデータが一般の我々の元に
出ていている以上、世界各国の中国離れの動きは、

今後、ますます活発化していくでしょう。

こういう時代のうねり、大規模な構造変化、、、

これらは長期投資においても
注目すべきポイントになります。

今、イギリス、米国等の一部の国の一部の人達の間で、
2022年の冬季オリンピックをボイコットする運動も
起きていますが、それもその時代のうねりの1つです。

世界中の多くの国々は(日本も含め)、
国防は米国に頼り、経済は中国に頼っています。

そのため、中国が香港を支配し、
台湾を武力攻撃しようと威嚇したり、
南シナ海を不当占拠したり、、

様々な悪行をしていたとしても、
簡単には中国を切れない、、、

という事情があります。

しかし、それにも限界があります。

ジェノサイド(民族大量虐殺)をしている
証拠が上がり始め、世論がそれを認識し始めたら…

…もう終わりです。

米政府のユニクロに対する禁輸措置は、
まさにそれの現れであり、世界の構造変化の動きが
もう始まっている事を指し示す見逃してはいけない
ビッグニュースの1つなのです。

世界各国の国々が、今後、ユニクロのTシャツを
禁輸する可能性は十分考えられるし、、、

ユニクロと並んで、中国よりの無印良品、
アシックス等もバッシング対象になってくる
可能性もあります。

2年前の米中貿易戦争の時から、
世界中の国々が中国から撤退する動きは
起きていましたが、今後もますます活発化
していく事でしょう。

目先の株価のアップダウンは大した問題では
ありませんが、時代の大きなうねりは注目して
おいて下さいね。

その動きを見誤ると、気が付けばピンチ…
なんて事も起きえますが、

しっかり見て、適切に対処すれば
大きなチャンスにだってなります。

私達は今、激動の時代の中生きています。^^)
本質を見通し、目先のどうでもいいノイズはカットする

それが大富豪の投資術、レガシー投資です。

私は、日本人にこそぴったりの投資戦略だと思っています。^^)

また水面下から、表に出始めているビッグニュースが
1つ2つあるので、それはまたメルマガで取り上げますね。^^)
楽しみにしていて下さい。

江崎孝彦
 
 

著者